ブルックナー:交響曲第8番
昔からクナッパーツブッシュと並んで名演として評価の高かったもの。本CDは今までより値段が下がり、お買い得感の強いものとなった。ブルックナーの好きな人で、まだこのシューリヒトの演奏を聴いたことのないのなら、良いチャンスだろうと思う。
演奏スタイルは、全編に渡って随分テンポの速い演奏だ。スケールは小さめだが、ウィーン・フィルの芳醇なアンサンブルが聴ける数少ない演奏でもある。指揮者の表現もさることながら、ウィーン・フィルの響きがまたすばらしい。
印象的なのは、速いスケルツォでの意志の強さだ。こんな強い意志力を持った演奏も珍しい。第三楽章のアダージョでの最高のアンサンブルは特筆もの。第四楽章では、場面が次々に変化していく時の有様が目に見えるように分かる。そのくらい理解しやすい分かりやすい演奏だ。しかも全編に渡って愉しさを持っている。
名指揮者シューリヒトの、このブル「8」は数々の評論家が挙って褒めるが、ブル「8」の中で名演であるだけでなく、シューリヒトの全CDの中でも名盤中の名盤であり、またウィーン・フィルの多くのCDの中での名盤中の名盤である。クラシック・ファンを自称する者であるなら、聴いておいて当然のCDとなっている。
ウィトゲンシュタイン 哲学宗教日記
20世紀の掛け値なしの天才といえば、ショスタコーヴィチとヴィトゲンシュタインであろう。
私見ではこの中にバフチンとレーニンを入れたいと思うが、後者には異論もあろう。自然科学では、ハイゼンベルクやゲーデル、アインシュタインもいるかもしれないが・・・・。
本書の面白さは、ヴィトゲンシュタインの天才を理解している人にしかわからないかもしれない。
彼が、ブルックナーやブラームスに就いての評価をあれこれしていること、それについで、彼女との恋愛に悩んでいること、この二つは衝撃そのものであった。
ブルックナー:交響曲第8番&第9番 [Blu-ray]
まずはライヴ版だけに演奏に多少のキズはあるものの、日本のオケがここまで完成度の高いブルックナーを披露したことに賞賛を贈りたい。
スクロヴァチェフスキの年齢を考えれば、間違いなく貴重な記録となる作品。それだけにとどまらず、演奏自体も十二分に聴き応えがある。今や、ドイツものの重厚なシンフォニーに限って言えば、このオケが日本のトップと言って良いかもしれないと思ったほど。
加えてブルーレイならではの映像の美しさ。
さらに、奏者を的確に捉える画面構成と、指揮者の解釈をも映像に反映した映像チームの力量は、某国営放送オケの番組をも凌駕するもの。ぜひ来日オケや、サイトウ・キネンなどもこのチームに作って欲しいと願ってしまう。
また、5.1chサラウンドの響きも楽しく、演奏時は違和感なく演奏に集中でき、カーテンコールではより臨場感を持って体感することが出来た。
また、大曲2曲で1枚ということを考えれば、価格も良心的と言って良いと思う。
願わくば、指揮者だけを押さえた「特典映像」などのオマケもあればと思うが、収録時間を考えればこれ以上のボリュームを求めるのは酷か?
ちなみにスタッフクレジットはなぜか英語表記。これが海外市場(特に欧州)で販売されるのなら、その評価もぜひ知りたいところ。色んな意味での日本のクラシック市場の現在地を知ることのできる佳作だと思う。
「マエストロ、それは、ムリですよ・・・」 -飯森範親と山形交響楽団の挑戦-
「音楽」のどうこうよりも、皆さんのレビューにもありますように、むしろ「経営」よりの本です。
この本では、事業を成功させるための手段の例として、山響を「モデル」としたように書かれているように感じました。
山響がここまで成長してきたのは、全て飯森氏の努力だけではなく、団員の陰の努力があったからだと思います。
音楽をしている私としては、飯森氏のことをもう少し控えめにして、山響のメンバーにもっとスポットを当てて欲しかったと思いました。
ave maria
カッチーニの「アヴェ・マリア」 ここ数年気に入り
色々聴いた上で まだまだ出会ってない魅力があるのでは?と検索したところ
最近 このCDに出会いました(遅すぎ)
素敵な曲だとの思い入れがありましたが
今まで聴いたものと違う衝撃を受けました
先ずこの方の歌声・・・
ひざまずいて祈りたくなる部分と
後々まで引っ張りそうな 何ともいえない妖しさ(気品がある)があるのです
カッチーニのアヴェ・マリアを凝って聴く方に
是非オススメしたいCDです
ただ美しいなぁ この曲
で終わりませんから・・・