クリティカル進化(シンカー)論―「OL進化論」で学ぶ思考の技法
クリティカルシンキングって,流行ってますよね。
激動の時代を生き抜いていくには論理思考力が必要だ!みたいな感じで。
でも,今までそんなことをこれっぽっちも考えてこなかった人にとっては,
「クリシンって何?」「論理的に考えるって,いったいどういうこと?」みたいな疑問が浮かんできて,
一体何をどうしたらいいか途方にくれてる人も多いんじゃないでしょうか。
そんな人のために,この本はあると思う。
クリシンの基本中の基本を,マンガで,日常的場面で,繰り返し繰り返し投げかけてくれる。
これでは物足りないと思うならまた違うもので勉強すれば良い。
けど,日常の考え方が少しでも変われば,それはそれでまた良し。
お気楽にクリシンに触れられるという意味では,最良の入門書じゃないでしょうか。
OL進化論(29) (ワイドKCモーニング)
本シリーズの近刊では、著者の主な関心は35歳独身から、老後にも移りつつあります。
その内容は、厳しい現実や悲壮感を伴う場合もあるのですが、その事自体も、ギャグとして笑い飛ばしています。
その、内容の重みに比べて、著者の表現は、何と軽妙なんでしょう!
本第29巻では、その事を強く認識させられます。
つまり、内容のある、優れたギャグだと言えます。
ある独身女性が、35歳になった日に、ジャンジャンジャンという、不思議な夢をみます。
それは、競輪の最終周回を示す打鐘(ジャン)の音なのでした。
一方では、35歳の独身男性が、故郷の同世代の人々の半分が、同類だと知って、ほっと胸をなでおろしたりします。
こんな具合に、35歳という年齢を、二つの観点から眺めるのですが、著者の意識は、ジャンの方に傾きつつあるのを感じます。
それは、近年の世知辛い世相ともリンクしている様にも思え、笑い飛ばしつつも、考えさせられたりします。
ジュンちゃんと森下君は、一冊の本を回し読みします。
しかし、どちらが先に買ってしまうか、根比べだなんて、仲が良いのですね。
ますますギャグに、深い内容を伴う、本29巻です。
OL進化論(30) (ワイドKCモーニング)
表紙の折り返し作者コメントによると、もう22年も続いてるとのこと。
この作品は、ほのぼのそうに見えて日常に隠れた世の中の定理、方程式を曝け出す
ようになっているので、それをよく22年も続けてなお新しい目線を持てるなと感心する。
前巻から今巻までの間に結婚したが、それによってまたいままではそれほど心に響かなかった
ネタが、胸に突き刺さるようになる。
今巻でいうと「女の心はスタンプカード制」という4コマは、ものすごくものすごく深く理解した。